読書感想文の書き方・書き出し・構成を例文用いて解説
2015/07/25
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こんにちは。かれっとです。
夏と言えば、読書感想文ですね。
読書が好きな人ならまだしも、活字が苦手な人には苦手な課題だと思います。夏は、他に楽しいイベントも盛りだくさんですし…\(^o^)/
今回の記事では「読書感想文のコツ」を書いていきたいと思います。
書き方・書き出し・構成など、イマイチ分からない方も多いはずです。そういった部分の解説を、簡単な例文を交えながら、ご紹介をしたいと思います。
- さっさと読書感想文を片付けたい
- 良い読書感想文に仕上げたい
と思っている方の参考になれば幸いです。
読書感想文の書き方に正解は無いと思いますが、比較的よく使われる書き方であり、また特に問題も無いような、「無難な書き方」をステップバイステップでご紹介していきたいと思います。
【1.】書き出し
多くの書き出しは、「その本を選んだ理由」から始まります。
- 「私は○○がキッカケで、○○を読みました。」
- 「私は作家の○○さんが好きだから、この本を読みました。」
注意点
「あらすじ」は、どうしても必要でなければ書かない方が無難です。
なぜなら、読書感想文の目的は、主観的な情報だからです。あらすじは、誰が書いても同じような客観的な情報ですよね。
しかしながら、読書感想文の構成上どうしても必要な場合は、あらすじを最低限紹介するのも良いと思います。
【1-1.】新世界から書き出す手法もアリ
「新世界」は、大阪でも何でもなくて
ここでの定義上は、「読書をした後の世界」のことです。
つまり、読書をする前の世界は「旧世界」です。
多くの読書感想文は、旧世界から始まります。日常の世界で何らかのキッカケを得て、新世界へと旅立つのです。
新世界へ行った(読書をした)自分は、その世界で何かを手に入れて(読書することで何かを得て)、新たな自分となる。
……というのがよくあるパターンなのです。つまり、「旧世界の私はこんなでしたが、新世界に行ったことにより、こんな私になりました」というのが読書感想文です。
なので、通常は読書感想文の書き出しも、旧世界から始まります。
しかし、新世界→旧世界→新世界と進めるパターンもあります。
その一例が下記の、文章です。
引用:「読書感想文がいくらでも書ける書き方」より
※装飾が上手くいかなかったので、スクリーンショットで引用させていただきました。
これは、いきなり新世界から始まっている文章ですね。そして、その後で、この本を手に取ったキッカケを語っています。
新世界をちょこっと紹介することで、期待感を煽ることができます。
こうすることにより、先が気になって読み進めてもらえやすくなったり(添削の場合はどんな文章でも読んでもらえますが…)、「お、これは他とひと味違うぞ」という先入観で読んでもらえます。
「また同じような感じかな」
「お、これは他とひと味違うぞ」
同じような内容でも、先入観が良ければ評価は上がるし、悪い先入観から入れば評価は下がるものです。
「引用」が無くても大丈夫です。
例えば、
「僕はこの本から、諦めることの大切さを学んだ。盲目的に過ごしてしまった3年間を、せめてこれからの糧にしたい。
僕が(本のタイトル)を手にしたキッカケは…」
というような感じですね。これも、「読後の私」の視点から話が始まっています。
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【2.】読書感想を書く
冒頭が終わった後で、読書感想を書いていきます。ここでは、「どんな事を書けばいいか」についてお話します。
アイデアA: 本の世界と自分の世界の比較&感想
たとえば、現代よりもだいぶ昔の時代が題材の作品だったらどうでしょうか。
今よりも不便な点はたくさんあるでしょうし、また良い点もあることでしょう。戦争があったりする時代かもしれませんね。
- 未来の世界をモチーフにした作品なら?
- 外国なら?はたまた現代なら?
- もし、自分がその人だったら?
作品の世界や、
作品の人物と、
自分の世界や、
自分自身。
色々な部分が比較できるはずです。
比較をする中で、自分の体験談が書けるかもしれません。
「昔は携帯電話が無かった」→「僕も家に携帯電話を忘れて一日を過ごした事があるけれど……」
あるいは、「自分が感じたこと」も書くことが出来ます。
もちろん、「おもしろかった。感動した」だけではなくて、どの部分を、なぜ、そう感じたのかも書いていきます。
「比較」をしていると、色々なことを感じます。それをそのまま書けば、それは立派な感想です。
アイデアB: 疑問への自分なりの答えを書く
作品を読んでいると、「なぜ、そうなったのか?」という疑問がよく湧くと思います。
なぜ主人公はそんな発言をしたのか、行動をしたのかetc…。そんな部分を読む…つまり「行間を読む」ということをするのも一つの手です。
「なぜ?」→「○○だから」→「なぜ○○なの?」→「△△だから」→「なぜ△△なの?」
という質問を繰り返していくと、かなり深い部分まで、対象について考えることができます。
【3.】その作品から貰った宝は何?
読書感想文の終盤では、その作品で最もインパクトを受けた部分について触れていきます。
そして、そのインパクトを受けて、自分はどう変わったのか…ついて書いていきます。
- その場面はどこで
- 自分は何を感じて(感想)
- 自分はどう変わったか(宝)
ということです。
・例(物語はフィクションです)
主人公の “私” は、「先生」になることをスッパリと諦めた。
“私” は、「目的のための手段は、先生になることだけではない。先生になるためにこれ以上のエネルギーを使うのは、分の悪い賭けだ。」そう言い切って、先生になることを諦めた。
分の悪い賭けなのは “私” の状況を見ても明らかだった。”私” はこの後で目的を達成することになるけれど、スッパリと諦めないで「先生」を目指し続けていたら、それも無かっただろう。
僕は今まで、「諦める」ということを、「悪いこと、いけないこと」だと思っていた。「諦めてはいけない」という世間の風潮に、ただ盲目的に流されていた自分が、そこにいたのだ。
でも、「諦めない」ということも、実は何かを諦めている。なぜなら、”私” が言ったように、僕たち人間の持つエネルギーは有限だからだ。何かを得ようとすることは、同時に何かを諦めることである。
自分で考えることの大切さと、諦めることの大切さを、この本が教えてくれた。
即興なので質はとても低いですが、イメージの助けになれば幸いです。実際には、もっと「自分の体験」を入れた方がよいですね。
【4.】この本を読んだ上で、今後の自分はどうするか(最後の部分)
「その本から何を得たのか」を語ったら、「その結果、今後の自分はどうするのか?」ということを書きます。
下記は、その一例です。
・例
「諦めるという言葉の本来の意味は、明らかにすることだ」と、とある仏教学の教授が言った。自分が本当に欲しいものは何なのか? 本当にそれをすることで得られるのか? 他に手段はないのか?
自分の頭でしっかりと考えて、諦めた上で、自分の道を選択して行きたいと思う。
構成まとめ
パターン1
- 本を選んだキッカケ
- 読書をして感じたこと
- 最もインパクトを感じた部分と、そこから学んだこと
- その学んだことを、これからどう生かしていくか?(宣言)
パターン2
- 最もインパクトを感じた部分を一部引用し、感想を添える(引用は必須ではない)
- その本を選んだキッカケ
- 読書をして感じたこと
- 最もインパクトを感じた部分と、そこから学んだこと
-
その学んだことを、これからどう生かしていくか?(宣言)
文章を推敲する
どんな書き物にも共通して言えることですが、文章が完成したら、必ず推敲(すいこう)をします。
推敲とは、文章を何度も練り直すことです。
誤字・脱字はないか。表現は適切か。もっと面白くできないか。というような意識のもと、完成した文章を点検していきます。
読書感想文のタイトルの付け方
テンプレは、「○○を読んで」です。
これで特に問題になることはありません。
ですが、こういったテンプレタイトル以外のタイトルの方が個性が出るのは、言うまでもあません。
今回出てきた例であれば、無難であり、かつ多少のインパクトがあるのは「諦めることの大切さ」とか、「(本の題名)を読んで感じた、諦めることの大切さ」などでしょうか(多くの人は「諦める=悪」と思っているので、このタイトルを見て「え!?」と感じる)。
「諦めるからここで、試合終了です」とか、「安西先生、僕は諦めるから、ここで試合終了です」といった、スラムダンクのパロディチックなタイトルもいいかもしれません(笑) ←冗談です笑
とにかく、せっかく仕上げた読書感想文ですから、あなたらしい、素敵なタイトルを付けたほうが、より愛着が湧くと思います。
また、これは当然のことではありますが、タイトルと内容に、強い関連性を持たす必要性があります。
例えば、「ハンバーグ」を注文したのに、「焼き魚」が出てきたらおかしいですよね。品名(タイトル)が「ハンバーグ」であれば、ハンバーグが運ばれてこないとお客さん(読み手)は違和感・不快感を覚えます。
重要!読書感想文の本の選び方
自由図書の場合、自分で本を選んでくる必要があります。その際の本の選び方について、解説していきたいと思います。
動機が明確な本を選ぶ
- なぜ、その本を選んだのか
- その本で、自分はどう変わったのか(その本からどんな宝を持ち帰ったか?)
ということを、読書感想文には書いていくわけですが、そうであるならば、「本を選んだ理由」が明確な方が書きやすいですね。
例えば、この記事を題材にするのであれば、「僕は読書感想文の書き方が知りたいので、この記事を読みました。読書感想文の書き方が分かったので、これから参考にして読書感想文を書きたいと思います。」
ということが容易に言えますよね。
しかし、「なんとなく」で本選びをしてしまったら、どうしますか? 当然ながら、「書くための難易度」が上がってしまうことになりますね。
本選びは、自分に関連したものを選ぶと良いです(自分の将来、部活、趣味など)。
例えば、部活に関連のある本を読んだならば、
「もっと良いプレーをするために、その本を読んだ。」
「これからは、こうしたいと思う」
といった事が自然と言えますよね。だからこそ、自分と関連のある本を選ぶのが、楽なのです。
自分と直接関連のある本を選んだにせよ、選ばなかったにせよ、読書感想文で大事なのは、「いかに自分と関連付けるか」…ということです。
書きにくい本は?
以上のことから、「自分との関連付け」が難しい本は、読書感想文を書くにくい本だと言えます。
たとえば、ファンタジーなどは、お話の内容を抽象的に考えないと、自分の生活に落とし込む(関連付ける)ことは難しいです(内容を抽象化→具体化というプロセスを踏む必要がある)。
もちろん、抽象化→具体化というプロセスが難なく出来る方であれば、特に問題はありません。
まとめ
・基本的な構成は、その本を手に取ったキッカケ → 本を読んで感じたこと → その本で最も印象に残った部分 → その印象を受けて「今後どうしていきたいか」の宣言
・「あらすじ」は基本的に書かない。どうしても必要な場合のみ最低限
・感想を書く際に役立つのは、「比較・体験談・疑問」
・完成した文章は必ず推敲する
・タイトルは「(本のタイトル)を読んで」で問題ないが、オリジナルのタイトルを付けると個性が出る
・その本を読む動機が明確だと、感想文も書きやすい
お疲れさまでした
ということで、今回の記事は以上となります。1mmでもお役に立てていれば幸いです。
苦手な方は、ファイトです…!
終わったら、たくさん夏を満喫して下さいね!
それでは、素敵な読書感想文を!
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